映画『ローマ法王の休日(Habemus Papam)』 [ひとりごと]
今年もよろしくお願いいたします。って、半年以上ぶり。
ご無沙汰してました。元気でした。
一度更新を怠るクセがつくと、なかなか…。
『ローマ法王の休日(Habemus Papam)』2011年/イタリア/フランス/105分
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
遅ればせながら観た(TVでだけど)。いかにもNanni Moretti(ナンニ・モレッティ)らしい、ずっとクスクス笑わせてくれて、最後に(私にはいい意味での)虚脱感を味わえる映画。ただ映画評のサイトを覗くと、あんまり芳しくない。日本語のタイトルから『ローマの休日』法王版みたいに思ったんだろうな。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
新しく法王に選出されたメルヴィル枢機卿の「自分探しの旅」。ヴァチカン広場の信者たちへの挨拶を前に逃げ出しちゃって…ローマの街を彷徨い市井の人々とふれあいながら自分を取り戻し、そして…ってストーリーなんだけど、さて。「宗教」と「精神科医(分析医もしくはカウンセラー)」という、心のよりどころを求めて頼られるべき人たちの本音と建て前が、ユーモアの薄皮に包まれて描かれており、現代人を皮肉る。きっとイタリアでもカウンセリングやらセラピーやらに通う人が増えてるんだろ。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
なにが面白いって「あの」システィーナ礼拝堂でのConclaveのシーンからぶっ飛んだ。現地ロケかと思って(笑)。メイキングだとセットのようで。Cinecitta'(チネチッタ)かな?そらぁそうだろう、ヴァチカンの一番深い闇まで切り込んではいないけど、軽く笑いものにしてる映画のロケを許すわけがないし、観光客どうすんだ?という問題が…。でも、よくできてる。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
この映画の魅力は、とにかくCardinali(カルディナーリ:枢機卿の複数形)に尽きる。みんなチャーミング。ただし、何となく仏教徒の私だったり、一応カトリックのイタリア人の友人たちだと、あの皮肉と当てこすりを心から笑えるが、毎週きちんとミサに行き下手すると食前のお祈り(私は遭遇したことがない)までするような人たちには受け入れがたいだろう。なんたって恐れ多くも枢機卿ですよ、それを笑いものにするなんて!という土壌を知らない日本人には、ピンとこないかも…。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
その他の見所は、モレッティらしい小さな揶揄が、そこここに散りばめられてるところかな。初っぱなのTVのリポーターの厚顔さと意味のないお喋り、それに応える報道官の慇懃無礼な言葉遣い、何でも幼児時代の体験を問題の原因にしてしまう医師、法王の不在を知られまいと身代わりを頼んだ衛兵隊長の質問が「テレビ見てもいい?」、信者に心の平安を与えるはずの枢機卿、ほとんどが睡眠導入剤(ご老人だから仕方ないか?)や向精神薬のお世話になってる、などなど小さな仕込みに一々笑ってしまう。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
そして『最強のふたり』を観たときにも思ったのだが、ヨーロッパの映画には「行間」が生きている。近頃の日本映画や小説だと、何でもかんでも主人公(および登場人物)に喋らせて「どだ!感動したろ?な!な!な!」と来そうな所をグッと抑えているところが、好みなのだ。
しかし、この映画の封切りは2011年、ベネディクト16世(Benedictus PP.XVI)の異例の退位が2013年。まさかこの映画の影響じゃないよね(笑)。
ご無沙汰してました。元気でした。
一度更新を怠るクセがつくと、なかなか…。
『ローマ法王の休日(Habemus Papam)』2011年/イタリア/フランス/105分
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
遅ればせながら観た(TVでだけど)。いかにもNanni Moretti(ナンニ・モレッティ)らしい、ずっとクスクス笑わせてくれて、最後に(私にはいい意味での)虚脱感を味わえる映画。ただ映画評のサイトを覗くと、あんまり芳しくない。日本語のタイトルから『ローマの休日』法王版みたいに思ったんだろうな。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
新しく法王に選出されたメルヴィル枢機卿の「自分探しの旅」。ヴァチカン広場の信者たちへの挨拶を前に逃げ出しちゃって…ローマの街を彷徨い市井の人々とふれあいながら自分を取り戻し、そして…ってストーリーなんだけど、さて。「宗教」と「精神科医(分析医もしくはカウンセラー)」という、心のよりどころを求めて頼られるべき人たちの本音と建て前が、ユーモアの薄皮に包まれて描かれており、現代人を皮肉る。きっとイタリアでもカウンセリングやらセラピーやらに通う人が増えてるんだろ。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
なにが面白いって「あの」システィーナ礼拝堂でのConclaveのシーンからぶっ飛んだ。現地ロケかと思って(笑)。メイキングだとセットのようで。Cinecitta'(チネチッタ)かな?そらぁそうだろう、ヴァチカンの一番深い闇まで切り込んではいないけど、軽く笑いものにしてる映画のロケを許すわけがないし、観光客どうすんだ?という問題が…。でも、よくできてる。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
この映画の魅力は、とにかくCardinali(カルディナーリ:枢機卿の複数形)に尽きる。みんなチャーミング。ただし、何となく仏教徒の私だったり、一応カトリックのイタリア人の友人たちだと、あの皮肉と当てこすりを心から笑えるが、毎週きちんとミサに行き下手すると食前のお祈り(私は遭遇したことがない)までするような人たちには受け入れがたいだろう。なんたって恐れ多くも枢機卿ですよ、それを笑いものにするなんて!という土壌を知らない日本人には、ピンとこないかも…。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
その他の見所は、モレッティらしい小さな揶揄が、そこここに散りばめられてるところかな。初っぱなのTVのリポーターの厚顔さと意味のないお喋り、それに応える報道官の慇懃無礼な言葉遣い、何でも幼児時代の体験を問題の原因にしてしまう医師、法王の不在を知られまいと身代わりを頼んだ衛兵隊長の質問が「テレビ見てもいい?」、信者に心の平安を与えるはずの枢機卿、ほとんどが睡眠導入剤(ご老人だから仕方ないか?)や向精神薬のお世話になってる、などなど小さな仕込みに一々笑ってしまう。
(C)Sacher Film . Fandango . Le Pacte . France 3 Cinema 2011
そして『最強のふたり』を観たときにも思ったのだが、ヨーロッパの映画には「行間」が生きている。近頃の日本映画や小説だと、何でもかんでも主人公(および登場人物)に喋らせて「どだ!感動したろ?な!な!な!」と来そうな所をグッと抑えているところが、好みなのだ。
しかし、この映画の封切りは2011年、ベネディクト16世(Benedictus PP.XVI)の異例の退位が2013年。まさかこの映画の影響じゃないよね(笑)。
Saint Valentine's Day [ひとりごと]
高3の時の担任は、母の馬鹿な質問にも顔色一つ変えなかったことからわかるように、感情を表に出すタイプではなかった。声を荒らげて叱るとか熱血教師っぽく励ますとか、そういう記憶はない。
授業に関しては大変に厳しく、特に、その日の授業の前に前回の内容を口述させることで「有名」な教師だった。誰が当たるかわからないので、生物の授業がある日には早起きしてノートを見ながら、どうやって上手く説明できるか頭の中でまとめるという作業を毎回繰り返す。当然、ノートを取るときにも、それを念頭にやるから、授業中も必死。上手く口述できなかったからと言って叱られるわけでも馬鹿にされるわけでもないのだが、全員がなぜか必死だった。
その代わりと言っちゃなんだけど、授業は抜群に面白かった。教科書はほとんど使わず、身近な話題から入って最後にその日のテーマに落としていく。授業の最後に「と、まあ、このようなことが教科書の○ページに〈も〉出ていますので、興味があれば読んでおくように」なんてことを、さらりと言ってのける。
お勉強はあまり得意ではないが、文化祭や体育祭になると俄然張り切る、というか、はじける私たちのクラス。ある日、球技のクラスマッチで優勝した。その翌日の朝のHRで担任は
「なんだか昨日は優勝したみたいで…。勉強でもそれくらい…頑張って…くれる…と、いいんですけど…ね。ふっ(←かすかな笑)」
と珍しく褒めてくれ(笑)、教室を出る直前に
「ああ、そう言えば。優勝したクラスは売店でクラス名を言うと、飲み物がもらえるようですよ」
と教えてくれた。
クラスマッチに優勝賞品があるとは知らなかった私たちは大喜び。次の休み時間、早速売店に行き、それぞれ好きなものを受け取った男子が
「クラスマッチの優勝で、こんなんもらえるって知らんやった〜」
と言うと、売店のおばちゃんから叱られた。
「あんたたち!これ、先生からのご褒美に決まっとうやろ!」
見た目は普通のおっさんだし、定期テストの平均点が赤点以下という厳しい採点はするし。けれどバレンタインデーのチョコレートの数はイケメン若手教師をおさえて、いつも一番という噂だった。女子生徒が多くない高校だったので、大した数ではないと思うけれど。もちろん私のクラスの女子も、受験生にもかかわらず、男子生徒に渡すチョコレートより、よっぽど気合いの入ったチョコレートを贈ったと思う。
イタリア土産。RomaのCaffe、Sant'Eustaccioのコーヒーリキュールクリームの入ったチョコレートと、Venchiのラムクリームの入ったチョコレート。
http://www.santeustachioilcaffe.it/it/locale.php
↑サンテウスタッキオのサイト。なんと日本語も。
http://www.venchi.it/
↑ヴェンキのサイト。さすがに日本語はない。
授業に関しては大変に厳しく、特に、その日の授業の前に前回の内容を口述させることで「有名」な教師だった。誰が当たるかわからないので、生物の授業がある日には早起きしてノートを見ながら、どうやって上手く説明できるか頭の中でまとめるという作業を毎回繰り返す。当然、ノートを取るときにも、それを念頭にやるから、授業中も必死。上手く口述できなかったからと言って叱られるわけでも馬鹿にされるわけでもないのだが、全員がなぜか必死だった。
その代わりと言っちゃなんだけど、授業は抜群に面白かった。教科書はほとんど使わず、身近な話題から入って最後にその日のテーマに落としていく。授業の最後に「と、まあ、このようなことが教科書の○ページに〈も〉出ていますので、興味があれば読んでおくように」なんてことを、さらりと言ってのける。
お勉強はあまり得意ではないが、文化祭や体育祭になると俄然張り切る、というか、はじける私たちのクラス。ある日、球技のクラスマッチで優勝した。その翌日の朝のHRで担任は
「なんだか昨日は優勝したみたいで…。勉強でもそれくらい…頑張って…くれる…と、いいんですけど…ね。ふっ(←かすかな笑)」
と珍しく褒めてくれ(笑)、教室を出る直前に
「ああ、そう言えば。優勝したクラスは売店でクラス名を言うと、飲み物がもらえるようですよ」
と教えてくれた。
クラスマッチに優勝賞品があるとは知らなかった私たちは大喜び。次の休み時間、早速売店に行き、それぞれ好きなものを受け取った男子が
「クラスマッチの優勝で、こんなんもらえるって知らんやった〜」
と言うと、売店のおばちゃんから叱られた。
「あんたたち!これ、先生からのご褒美に決まっとうやろ!」
見た目は普通のおっさんだし、定期テストの平均点が赤点以下という厳しい採点はするし。けれどバレンタインデーのチョコレートの数はイケメン若手教師をおさえて、いつも一番という噂だった。女子生徒が多くない高校だったので、大した数ではないと思うけれど。もちろん私のクラスの女子も、受験生にもかかわらず、男子生徒に渡すチョコレートより、よっぽど気合いの入ったチョコレートを贈ったと思う。
イタリア土産。RomaのCaffe、Sant'Eustaccioのコーヒーリキュールクリームの入ったチョコレートと、Venchiのラムクリームの入ったチョコレート。
http://www.santeustachioilcaffe.it/it/locale.php
↑サンテウスタッキオのサイト。なんと日本語も。
http://www.venchi.it/
↑ヴェンキのサイト。さすがに日本語はない。
蠟梅 [ひとりごと]
不思議な透明感のあるはかない花びらと華やかな香りのする蠟梅は、私の好きな花。
この花を見ると、思い出すことがある。
それはちょうど蠟梅の季節。私は高校三年生。
学校で三者面談というものがあった。担任と私、そして母。
担任が生物の担当だったので場所は明るい中庭に面した生物室の隣、生物準備室。
私の成績やら得意科目やら志望校のレベルやら、そういうあまり楽しくないことを
担任が淡々と母に説明する。
ま、あんまり勉強は好きではなかったけれど高望みもしないタイプだったので話はわりと早く終わった。
最後に担任が母に「で、お母さん。何か質問は?」と尋ねた。
母はちょっと考えて…
「先生、後ろに活けているのは蠟梅ですか?」
と言った。
担任は、すこし間をおいたけれど顔色一つ変えずに答えた。
「そうです。」
このように私の受験前の最後の面談はつつがなく終わったのである。
↑妙楽寺の庭先。もうかなり終わりがけで香りもしなかった。
この花を見ると、思い出すことがある。
それはちょうど蠟梅の季節。私は高校三年生。
学校で三者面談というものがあった。担任と私、そして母。
担任が生物の担当だったので場所は明るい中庭に面した生物室の隣、生物準備室。
私の成績やら得意科目やら志望校のレベルやら、そういうあまり楽しくないことを
担任が淡々と母に説明する。
ま、あんまり勉強は好きではなかったけれど高望みもしないタイプだったので話はわりと早く終わった。
最後に担任が母に「で、お母さん。何か質問は?」と尋ねた。
母はちょっと考えて…
「先生、後ろに活けているのは蠟梅ですか?」
と言った。
担任は、すこし間をおいたけれど顔色一つ変えずに答えた。
「そうです。」
このように私の受験前の最後の面談はつつがなく終わったのである。
↑妙楽寺の庭先。もうかなり終わりがけで香りもしなかった。
ペシャワール会のカレンダー [ひとりごと]
生まれたときから、なんとなく仏教徒のアタクシが言うのもナンですが
メリークリスマス。
イタリア語だと「Buon Natale(ブォン ナターレ)」
クリスマスとは全く関係ないけど、すっっっかり忘れてたカレンダーのご紹介。
アフガニスタンで活動する「ペシャワール会」のカレンダー。
寄付だのなんだのって、ちょっと、と思うけどカレンダーなら、あってうれしい。
これがなかなか素敵なんですよ。
お求めは
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/index_book.html
ペシャワール会の詳細は
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/
みなみなさまにとって、よいクリスマスでありますように。仏教徒ですが(←くどい!)
メリークリスマス。
イタリア語だと「Buon Natale(ブォン ナターレ)」
クリスマスとは全く関係ないけど、すっっっかり忘れてたカレンダーのご紹介。
アフガニスタンで活動する「ペシャワール会」のカレンダー。
寄付だのなんだのって、ちょっと、と思うけどカレンダーなら、あってうれしい。
これがなかなか素敵なんですよ。
お求めは
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/index_book.html
ペシャワール会の詳細は
http://www1a.biglobe.ne.jp/peshawar/
みなみなさまにとって、よいクリスマスでありますように。仏教徒ですが(←くどい!)
フイルムとデジタル [ひとりごと]
最近、とっても好みな写真を撮っておられる方々のブログを徘徊していて、けっこうフイルム写真に拘っておられるなぁと感心することしきり。私はもうデジタル一辺倒。デジタルが好きとか嫌いじゃなく、便利だから。ここのとこ、ちょっと昔の写真をひっくり返しているときに、「そうだ、昔は私もフイルムで撮っていたんだよな(あたりまえだ!)」と。
ただ、しかし、なぜか、他の方のフイルム写真に漂う「ふわふわ感」というようなものが、私のフイルム写真にはない。どうして?どこが違う?と、一生懸命考えた。
ほぼ同じ場所を撮影したときのフイルムとデジタル、ネガとリバーサルの違いを検証(って、ほどのことじゃ)
で、数少ないネガ写真。
これは「せめて一度くらいは、これもイタリアに連れて行ってやろう」とPENTAX SVを持って行ったときの1枚。さすがにSVにリバーサルを入れる度胸はなかったので。というか、SVにとって初めてのカラーネガかも。ずっとモノクロしか撮ってなかったから。
これはリバーサルからのダイレクトプリント。
たぶんフイルムはフジのPROVIA、もしくはその前身のRDP。ナチュラルな色調のコダックより、青空カッキーン!のフジの方が好みだった。カメラはたぶん(笑)EOS5。
そして初めてのデジタルは
フィルム一眼レフのサブとして使っていたFine Pix F?Z?700。
そしてデジタルの便利さに慣れてしまって
EOS50Dなのだ。
プロフェッショナルではないし、そこまで拘ってないので、撮影時のデータがゼロ!(笑)記憶を辿るとこんなかんじ。リバーサルってカッキーンとして好きだったけど、フイルム写真としての「味」みたいなのは、断然ネガだったのね〜と、いま初めて気づいてしまった。
余談:いいかんじのボケを作りたいと、マクロレンズ、望遠レンズ、重たいのに持って行ってさ、苦労してさ、そういうの頑張ってさ、初めて「つまみを回すとボケかませる」カメラのCM見たとき、正直言ってムカつきました(笑)。私もミラーレスカメラ欲しい。EOS50Dズームレンズ付きで持って廻るの肩が凝る。だからと言って、あいほんのカメラは…ちょっと。メモ代わりにはいいけど。
ただ、しかし、なぜか、他の方のフイルム写真に漂う「ふわふわ感」というようなものが、私のフイルム写真にはない。どうして?どこが違う?と、一生懸命考えた。
ほぼ同じ場所を撮影したときのフイルムとデジタル、ネガとリバーサルの違いを検証(って、ほどのことじゃ)
で、数少ないネガ写真。
これは「せめて一度くらいは、これもイタリアに連れて行ってやろう」とPENTAX SVを持って行ったときの1枚。さすがにSVにリバーサルを入れる度胸はなかったので。というか、SVにとって初めてのカラーネガかも。ずっとモノクロしか撮ってなかったから。
これはリバーサルからのダイレクトプリント。
たぶんフイルムはフジのPROVIA、もしくはその前身のRDP。ナチュラルな色調のコダックより、青空カッキーン!のフジの方が好みだった。カメラはたぶん(笑)EOS5。
そして初めてのデジタルは
フィルム一眼レフのサブとして使っていたFine Pix F?Z?700。
そしてデジタルの便利さに慣れてしまって
EOS50Dなのだ。
プロフェッショナルではないし、そこまで拘ってないので、撮影時のデータがゼロ!(笑)記憶を辿るとこんなかんじ。リバーサルってカッキーンとして好きだったけど、フイルム写真としての「味」みたいなのは、断然ネガだったのね〜と、いま初めて気づいてしまった。
余談:いいかんじのボケを作りたいと、マクロレンズ、望遠レンズ、重たいのに持って行ってさ、苦労してさ、そういうの頑張ってさ、初めて「つまみを回すとボケかませる」カメラのCM見たとき、正直言ってムカつきました(笑)。私もミラーレスカメラ欲しい。EOS50Dズームレンズ付きで持って廻るの肩が凝る。だからと言って、あいほんのカメラは…ちょっと。メモ代わりにはいいけど。
猫写真で思い出したこと [ひとりごと]
↑Pepe家の居候・Griggio(グリッジョ:グレー)本文とは関係ありません。
以前、突然ベランダにやってきたデブの虎猫に、うかつにも猫まんまをやってしまったことがある。それから毎日その雄の虎猫はやってきたので、私もついつい猫缶を買うようになった。尻尾が途中でつぶれ、二股に分かれたようになっていたので、姓は「猫」、名前は「又三郎」、略して「マタ」と勝手に呼んでいた。
ある日、マタが耳の後ろから血を流しているのに気がついて、餌を食べ終わった後に膝に乗せて手当をしてやった。「自分で舐めて治すんだろうけど、ここはちょっと届かないよね~」と話しかけると、まるでわかったようにおとなしくしていたマタ。もしかしたら、こいつは誰かに飼われたことがあるのかもしれないと思った。
それにしては愛想のない猫で、他の誰かが触ろうとすると全身の毛を逆立てて、フーッッッッと威嚇する。友人が「あいつ、今朝、大ちゃん(近所の巨大な猫。飼い猫だけど乱暴で、近所の嫌われもの)と喧嘩してたぜ」と言う。その日やってきたマタは怪我もなくいつも通り餌を食べている。「よし!よくやった。大ちゃんに負けんだったね」と褒めてやる。
撫でてやるでもなく、家に入れてやるわけもなく、むこうも甘えるでもなく、特になつくわけでもなく、ただ、ほぼ毎日やって来ては、餌だけ食べて帰って行くという関係(笑)が1年ほど続いた夏の終わり、マタが姿を見せなくなった。その次の日も、その次の次の日も、猫缶を猫缶スペシャルに変えてやっても、やはり姿を見せなかった。
小さな生き物に関わると、鶴や亀でもない限り、いずれこういう日が来ることはわかっていたので、それほど悲しいとか辛いとかはなかったけれど、もしかしたらまた来るかもと、ベランダの餌の器はそのままにしておいた。それを知った、当時はまだ元気だった祖母が「その猫はきっと根子山(阿蘇の根子岳のこと)にお参りに行ったんだよ。猫は一生に一度、根子山に参らないといけないらしいから」という。
さすがに、それを本気で信じる歳ではなかったけれど、せっかく『猫又』という名前をつけてやったんだから、せいぜいどこかで長生きしろよ、と思った。しかし…ここは福岡だからいいけど、北海道の猫は大変だね。熊本は遠いよ。
_______________________________________
友人のブログで、現在猫写真の連載(笑)中。
http://dagashi.txt-nifty.com/weblog/
もともと犬派、でも決して猫も嫌いじゃないので一応写真は撮るけど、どうにも上手く撮れないのは、私には何か猫に嫌われる要素でもあるのか…なんて思ってると、マタのことを思い出した、というわけ。
猫写真の続きは別ブログで。
http://pooh12.blog.so-net.ne.jp/
『イタリア極上ワイン紀行~クアットロ・マエストリ~』BSフジ [ひとりごと]
http://www.bsfuji.tv/top/pub/italian_wine.html
録画しておいたのを視聴。意外と(失礼!)よかった。案内してくれる宮嶋さんも、お伴(笑)の益田由美さんも、安心感がある。
前編はChiantiとVino Novile di Montepulciano。ワインの取材もよかったけど、全篇美味しそう!
来週の土曜日に後編が。Brunelloと北のワインというので、てっきりBaroloかBarbarescoかと思ったら、なんとProseccoのよう。
※上記の写真は個人の感想であり…じゃなかった、記事とは全く関係ありません(笑)。
これは同じMontepulcianoでも、 Montepulciano d'Abruzzo。食べても美味しい。粒が小さいから面倒だけど。
お世話になりました(笑) [ひとりごと]
モンテプルチャーノ・ダブルッツォ [ひとりごと]
先日イタリアで官僚と地震学者たちに対して、過失致死で求刑より長い禁錮6年という衝撃の判決が出た。日本のニュースでもちょっと騒がれたのでご存じの人も多いかと。L'Aquila(ラクイラ)の地震の直前、彼らが「大丈夫、地震は来ない」と言ったせいで犠牲者が増えたというのである。地震直前の会見で「じゃあ我々はゆっくりワインでも飲んでろと?」という記者の質問に、官僚が
「そうです。モンテプルチャーノ・ダブルッツォがいいですね」
というようなことを言った場面が日本のTVでも流れた。
Shanryさんからの報告によると(笑)関西限定の情報番組で某コメンテーターO氏が「あんな安ワイン…」と言いかけて慌てて言いつくろったらしい。
さて、モンテプルチャーノ・ダブルッツォは、あんな安ワインか。
↑正真正銘の安ワイン。399円(爆)。
Shanryさんにとって「O氏が(あの風貌からというか日頃の発言からというか)モンテプルチャーノ・ダブルッツォが安ワインであるということを知っているというのが新たなる発見」だったらしい。そこでふと考えた。ワインに関して大雑把に3つのカテゴリーに分けると
A)普段からワインを飲まない。たとえ飲んでも国、地域、銘柄、葡萄の種類などまっっっっったく興味がない。
B)ときどき(本格的、なんちゃって)フレンチ、イタリアンに行って、一応ワインリストくらいは見てオーダーをする。もしくは特定のお気に入りなどはないが自分でワインを買って飲む。
C)ワインオタク、とまではいかなくても、国や地域、銘柄、葡萄の種類などは意識しつつ、ワインを選ぶ。
コメンテーターO氏は、カテゴリーBに属するのではなかろうかと推察。イタリアン、もしくはワインをちゃんと飲ませてくれる店でワインリストを見る。するとグラスワイン500円とかボトルで2,000円台のところにあるのが我らが(笑)モンテプルチャーノ・ダブルッツォなのである。いや、であることが多い。ゆえにモンテプルチャーノ・ダブルッツォ=安ワインというイメージが生まれる。
しかし偉大なる安ワイン、モンテプルチャーノ・ダブルッツォのなかに、ときどき、とんでもない化け物のようなワインがある。3大巨匠と言われるエドゥアルド・ヴァレンティーニとマシャレッリ、エミディオ・ペペ。
新しくはマッラミエーロ、ヴィッラ・メドーロなどなど。もちろんお値段も安ワインどころか(笑)なんだけど。でもクォリティとお値段で考えると絶対お買得・飲み得。もしワインリストの中の同じクラス(お値段)で迷ったら、一度選んでみてほしい。
もちろん!偉大なる安ワインカテゴリーにおいても、モンテプルチャーノ・ダブルッツォはお買得・飲み得。なかには「うげげ!」もあるだろうが、なにしろ安いんだから欺されてもいいか、ぐらいの気持ちで。特に「赤ワインは苦手」という方に是非。酸味、渋みが強くないので「え、赤ってこんなに飲みやすいの?」とよく言われる。
イタリアの官僚と学者、地震予知は間違っていたけれどワインのチョイスにおいては正しかったと思う。さらに日本での新聞の見出しが〈地震予知失敗で有罪〉となっているけど、正確には〈安全だとは思ってないのに安全宣言をして有罪〉である。前者の見出しだと学者にはちょっとお気の毒な気がする。気持ちはわかるけどね。だってこっちでは安全神話を唱えていたひとたち、誰一人責任とってないし。
追記:上記の常軌を逸した安ワインの記事
http://mooaz.com/log/category/wine/europe/italy/abruzzo
もしSpinelliの名前を伏せて出しているのだとしたら、もうめっちゃお買得!
追記2:ここにあの地震判決なりゆきの詳細が
http://raytheory.jp/2012/10/201210news_laquila/
イタリア人遺族の方たちも「私たちだって地震予知ができるとは思っていない」と。
「そうです。モンテプルチャーノ・ダブルッツォがいいですね」
というようなことを言った場面が日本のTVでも流れた。
Shanryさんからの報告によると(笑)関西限定の情報番組で某コメンテーターO氏が「あんな安ワイン…」と言いかけて慌てて言いつくろったらしい。
さて、モンテプルチャーノ・ダブルッツォは、あんな安ワインか。
↑正真正銘の安ワイン。399円(爆)。
Shanryさんにとって「O氏が(あの風貌からというか日頃の発言からというか)モンテプルチャーノ・ダブルッツォが安ワインであるということを知っているというのが新たなる発見」だったらしい。そこでふと考えた。ワインに関して大雑把に3つのカテゴリーに分けると
A)普段からワインを飲まない。たとえ飲んでも国、地域、銘柄、葡萄の種類などまっっっっったく興味がない。
B)ときどき(本格的、なんちゃって)フレンチ、イタリアンに行って、一応ワインリストくらいは見てオーダーをする。もしくは特定のお気に入りなどはないが自分でワインを買って飲む。
C)ワインオタク、とまではいかなくても、国や地域、銘柄、葡萄の種類などは意識しつつ、ワインを選ぶ。
コメンテーターO氏は、カテゴリーBに属するのではなかろうかと推察。イタリアン、もしくはワインをちゃんと飲ませてくれる店でワインリストを見る。するとグラスワイン500円とかボトルで2,000円台のところにあるのが我らが(笑)モンテプルチャーノ・ダブルッツォなのである。いや、であることが多い。ゆえにモンテプルチャーノ・ダブルッツォ=安ワインというイメージが生まれる。
しかし偉大なる安ワイン、モンテプルチャーノ・ダブルッツォのなかに、ときどき、とんでもない化け物のようなワインがある。3大巨匠と言われるエドゥアルド・ヴァレンティーニとマシャレッリ、エミディオ・ペペ。
新しくはマッラミエーロ、ヴィッラ・メドーロなどなど。もちろんお値段も安ワインどころか(笑)なんだけど。でもクォリティとお値段で考えると絶対お買得・飲み得。もしワインリストの中の同じクラス(お値段)で迷ったら、一度選んでみてほしい。
もちろん!偉大なる安ワインカテゴリーにおいても、モンテプルチャーノ・ダブルッツォはお買得・飲み得。なかには「うげげ!」もあるだろうが、なにしろ安いんだから欺されてもいいか、ぐらいの気持ちで。特に「赤ワインは苦手」という方に是非。酸味、渋みが強くないので「え、赤ってこんなに飲みやすいの?」とよく言われる。
イタリアの官僚と学者、地震予知は間違っていたけれどワインのチョイスにおいては正しかったと思う。さらに日本での新聞の見出しが〈地震予知失敗で有罪〉となっているけど、正確には〈安全だとは思ってないのに安全宣言をして有罪〉である。前者の見出しだと学者にはちょっとお気の毒な気がする。気持ちはわかるけどね。だってこっちでは安全神話を唱えていたひとたち、誰一人責任とってないし。
追記:上記の常軌を逸した安ワインの記事
http://mooaz.com/log/category/wine/europe/italy/abruzzo
もしSpinelliの名前を伏せて出しているのだとしたら、もうめっちゃお買得!
追記2:ここにあの地震判決なりゆきの詳細が
http://raytheory.jp/2012/10/201210news_laquila/
イタリア人遺族の方たちも「私たちだって地震予知ができるとは思っていない」と。